6Oct
– ”若冲”の絵はココが凄い!! –
前回は導入として、
若冲の経歴や歴史について話してみました。
今回は若冲の”絵の凄さ”について、
分かりやすく話していきたいと思います。
今になって若冲が”再評価”されたのは…
それは若冲の技法や技術がスゴイから!
と私は思っています。
実際に絵や技法を知るにつれ、
そんな若冲の凄さが分かってくると思います。
それでは
1つ目の”若冲の凄さ!”は…
… ”若冲の精密で繊細な描写”です。
実は今回画集を買って、
いろいろと眺めて観察したのです。
特に画集『若冲原寸美術館 – 100%Jakuchu!』は、
若冲の凄さが分かる一冊だと思います。
(この画集は、原寸大で絵が見れます。)
表紙の絵を見るだけでも、
なんとなく分かるかな??
この鳥の白い羽の線一本一本を
正確無比な形で細かく均一に描いているのです。
しかも輪郭とか描かずに、
そのまま筆で描いていったそうです。
普通の人なら気が付かない、
細かい部分まで一本一本正確に描いたのです。
でもこういうこだわりが、
本物の鳥に見える理由なのかもしれませんが…。
とにかく
この若冲の精密ともいえる描写は
実際に見てほしい凄さ!だと思います。
そして2つ目の凄さは…
… ”色の再現のこだわり”です。
若冲は本物を再現する事を目指したからだと思いますが、
とにかく一つ一つの色にこだわっているのです。
そのために色々な技法を駆使しています。
例えば、
”裏彩色”という技法です。
…表だけでなく裏からも絵具を塗ることで、
色に深みを出したり、
微妙な明度(明るさ)を再現しているのです。
これだけでも
かなりのこだわりだと思います。
でも若冲はもっと他にもこだわっていたのです。
そのこだわりと言うのが
”絵具を使い分けていた”事です。
顔料の絵具を使って表面に色を塗ったり…
または染料を使って
染み込ませて色を付けたりしていました。
(絹地に絵を描いていたのは、こういう理由だからだそうです。)
絵具の性質で絵具を使い分け、
色の微妙な違いを再現しているのです。
というか塗ったり染み込ませたりと、
絵具を使いこなしているのがスゴイですね。
普通に考えても
ここまでこだわろうとは思わないと思います。
私が思うに、
ここまで絵具にこだわれたという事は、
若冲はそのモノの微妙な色の違いを感じ取っていたからだと思います。
じっくりと動物や植物を観察して、
そのものの色の”機微”を観察していたからだと思うのです。
(機微…表には見えない微妙なおもむきや違い)
そして
若冲の3つ目の凄さは…
… ”一つ一つを本物へ近づけるこだわり”
植物の花びらや葉っぱ、
そして実の一つ一つを本物に近づける描き方をしているのです。
例えば花びらを描く際には、
先ほども触れましたが
染料を使って花びらの柔らかさや薄さを再現したり
実を描くときもそうで、
厚く塗ったり薄く塗ったりして
一つ一つの実の微妙な違いを描き出しているのです。
実際に生えている植物は、
どの実も全部同じとは限りませんよね!?
完熟した感じの実もあれば、
少し若い実もあったりします。
そんな本物の実を
一粒一粒描き切っているのがスゴイのです。
素人目からすれば、
リアルに描くためにここまで一つ一つ、
一粒一粒までの違いにこだわる必要があるのか!?って思うのですが…
若冲には”妥協”という言葉がなかったのだと思います。
そのためには、
技法もいろいろと学んで使いこなしていたのです。
こういうこだわりは、
やっぱり100%の原寸大の図録だからこそ分かることだと思います。
こうやって絵の凄さを見ていくと、
やっぱり”本物”を見たくなりますね!
「紫陽花双鶏図」伊藤若冲」 ※public domainを使用
ここで挙げた作品は参考に載せています。
実際に見れる作品とは事なるのでご了承ください。
図録で原寸大の絵を見るだけでも
鳥肌が立ってくる感覚ですから…。
もしルーペでじっくりと細部まで観察できたら…
…どんな感じなのだろう??
想像しただけでもワクワクしてくるのです。
このように若冲の絵は遠目で見るよりも、
間近に迫ってみた方がより凄さを実感できると思うのです。
そして
私なりにまとめるなら・・・
とにかく私が思う”若冲”の凄さは…
この異様なまでのこだわりというか、
完璧主義ともいえる執着心だと思います。
これは間近で見ないと分からない感覚だと思います。
人に言わせれば”天才”になるんだろうけど、
人によっては”キチガイ”ともいう様な…
(別に悪い意味でなく、良い意味で)
普通の人では到底できない事を、
とにかくひたすらやっているのです。
はっきり言って
”スゲ~!!”の言葉しか出てこないと思います。
ぜひあなたも見て感じてほしいですね!
とこんな風に、
若冲の絵の凄さを描いていたら、
今からワクワクしてくるわけです。
あ~、早く京都へ行きたいものです。
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